当院で使用する鍼(針)の種類(和鍼~中国鍼~特注鍼)と長さ

当院で使用する鍼(針)の種類(和鍼~中国鍼~特注鍼)と長さ

当院で使用している鍼(針)の種類についての説明

(1)長さ

当院では、鍼の特徴として長さと太さがあります。まずは長さについて説明いたします。

 

当院では、4cmから最長17.5cmまでの鍼を適切な場所に使用しています。

 

具体的には、4~6cmの鍼は腕、首、背中、下腿などに使用することが多いです。体型に合わせて、奥深く圧迫された筋肉に刺激を与えます。

 

6~9cmの鍼は、肩関節、腰、股関節、大腿部などに使用します。これらの部位では、脂肪層が厚い場合や筋肉量が多いため、より深い位置に刺す必要があります。

 

10~17.5cmの鍼は、主に股関節や腸骨筋に使用します。お尻の部位は脂肪層が厚く、小殿筋、中殿筋、大殿筋などの三層構造があります。また、閉鎖筋や坐骨結節も深い位置に存在します。このような深部への刺激には、より長い鍼が必要です。

 

このような長さの鍼を扱っている鍼灸院は一般的ではありません。また、取り扱っているとしても沿って背骨に沿って縦に入れていくタイプなら龍盤鍼という名で行っているところがありますが主に皮膚の下に入れていく方法で、身体の中心部に向かって刺す当院の施術方法は技術介入度が高く一般的ではありません。

腸骨筋に関しては、上前腸骨棘の付近から鍼を刺し、骨盤の中で腸骨に沿わせて刺入していきます。腸骨はカーブしているため、上前腸骨棘からベッドまでの長さに加えて数センチの余裕が必要とされています。腸骨筋刺鍼は、大腿神経痛やお尻の痛み、腰痛の施術に使用されます。

12cm以上の鍼は、短い鍼と比べて使用頻度が低くなります。

太さ

太さについては、長さに比べて選択肢が少なくなります。

基本的な太さは約0.3mmで、そこから0.03mmずつ太くなって0.4mmまでの範囲が主なラインナップとなっています。長い鍼や硬い部位に刺入する際には、細すぎると硬い筋肉に当たった場合、横に滑ってしまう可能性やそもそも刺さりずらい事がある為、太くなる傾向があります。

一方、太い鍼には「怖い」「痛い」と心配される方もいるため、一般的に人気のある太さとして0.18~0.22mmの鍼も取り揃えています。

ただし、あまり細い鍼では凝り固まった筋肉が緩まない場合もありますので、施術後に症状の改善具合を見ながら、次回の鍼の選択を検討します。状態が改善している場合は、そのまま変更せずに改善が進むので特に問題ありません。

年間数件の使用例ではありますが、1ミリの太さの鍼もご用意しています。

 

 

 

 

鍼の種類

和鍼と中国鍼にはそれぞれ異なる特徴があります。

 

和鍼は、鍼の後ろの持ち手が棒状になっており、鍼を刺した後にあまり動かすことはありません。

一方、中国鍼は、持ち手が鋼線で巻かれており、滑り止めの役割を果たします。これは、刺激を加える際に針を動かすことが多く、刺した後に針を回転させたり方向を変えたりすることが容易にできるようになっています。

 

日本の鍼は、健康維持やストレス解消など予防的な観点からの利用が主流です。また、ツボの一つ一つに漢方と同様の効果があると考えられています。この考え方は中国から伝わった初期の鍼の思想であり、日本で独自に発展し進化した結果です。この点は、日本独自の進化過程であるガラパゴス化現象と言えます。

近年では美容鍼灸というジャンルが注目を集めており、美容のニーズを取り入れた鍼灸療法が増えてきました。美容鍼灸は、顔や身体の美容効果を追求するために特化した施術です。

美容鍼灸の台頭により、美容の需要を取り込むための技術や知識が進化しましたが、一方で痛みやしびれに関する技術はその進化と比較すると遅くなったと感じています。

 

一方、中国鍼は、痛みや病気の治療に焦点を当てています。中国共産党が政権を握った時期には、西洋医学を用いる資金がなかったため、漢方や鍼灸などが国内で使用されるようになりました。

 

中国ではかつて気の概念など目には見えないものに基づく理論が一般的でした。

しかし、統計を取るよう命じられたことで、坐骨神経痛や運動器疾患など様々な病気に対して効果を実証するためのデータが蓄積されました。中国の人口の多さから、数百の症例を集めることも容易でした。

その結果、鍼の長さや太さの選択、使用箇所などの詳細なデータが揃い、痛みやしびれへの効果が統計学的に実証されました。さらに解剖学的な知識を取り入れることで、数十年前には治らなかった変形性股関節症などの疾患にも効果が現れるようになりました。

 

当院では、中国鍼を解剖学的な視点から使用し、さらに最新の鍼の形状も取り入れながら積極的な施術を行っています。これにより、従来なかなか改善しなかった頑固な首・肩こり、腰痛、股関節痛などに対しても改善の効果が得られるようになりました。

 

当院における施術

私の施術では、患者様の症状やニーズに合わせて鍼の選択を行います。鍼の長さや太さ、刺激の強さなどは個人の体質や状態によって異なりますので、それぞれの方に最適な鍼を使用することが重要です。

また、鍼の刺入後には慎重に動かすことを心掛けています。鍼を刺した後、あまり動かすことなくそのままの位置に留めることで、効果的な刺激を与えることができます。このようなアプローチは、患者様の快適さと安心感を促進する一方で、施術効果を最大限に引き出す役割も果たしています。

 

私は、鍼灸の伝統的な知識と現代の解剖学的な知見を組み合わせて、患者様の症状にアプローチしています。その結果、多くの方々が痛みや不快感の軽減、機能の回復、心身のリラックスなどの効果を実感しています。

鍼灸は個人の体質や症状によって効果や感じ方が異なるため、一人ひとりに合わせた施術が重要です。当院では、患者様の状態を丁寧に評価し、最適な鍼灸療法を提供することで、より効果的な治療を目指しています。

ぜひ、当院での鍼灸施術を通じて、痛みの軽減や健康の改善を実感していただければ幸いです。ご興味がありましたら、お気軽にご相談ください。

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