最近の坐骨神経痛,股関節(お尻)の痛みの施術と経過

最近の坐骨神経痛,股関節(お尻)の痛みの施術と経過

最近の坐骨神経痛,股関節(お尻)の痛みの施術と経過

今回ご紹介する症例では、腰椎すべり症、病院で特に異常なし、ベビーカーを持ち歩いた際痛めた、腰椎脊柱管狭窄症の疑い、の四件の治療経過について記載したいと思います。

最初に坐骨神経痛と股関節痛の発生機序を記載しているので、症例報告が見たい方は先に進めてください。

始めに簡単な神経痛の発生機序から

坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫や刺激を受けることによって生じる痛みや感覚異常の事です。一般的に、坐骨神経が腰椎の間や椎間板の突出により圧迫される場合に起こります。

病院で判断出来るのは、画像で診断できる骨の異常を伴うものや椎間板の変形による圧迫です。

筋肉が神経を圧迫し、変形した骨や椎間板に押し込んで痛みやしびれが出たり、神経の走行上の筋肉の痙攣や収縮によって起こる痛みは判断が難しいとされています。

それは、一日百人以上の患者さんを診察するには、画像で診断はもっともはやく一人に時間が欠けられない病院では仕方のない事です。

 

それでは、一般的な坐骨神経痛の発生機序です。

 

 

椎間板ヘルニア

椎間板は脊椎の間に存在し、クッションの役割を果たしています。

椎間板が損傷し、内部のジェル状の組織が外に漏れ出すと、坐骨神経が圧迫される可能性があります。これは椎間板ヘルニアと呼ばれ、坐骨神経痛の一般的な原因です。

簡単にイメージするのであれば、骨と骨の間にまんじゅうを挟んで上下から圧迫したらあんこがでます。でたあんこがヘルニアです。

脊柱管狭窄症

脊柱管は背骨ひとつひとつに穴が開いておりそれが連結し、トンネルみたいになる管の事です。腰椎からでる坐骨神経はこの管を通って下肢に向かいます。

脊柱管が狭窄すると、坐骨神経が圧迫される可能性があります。脊柱管狭窄症は通常、脊椎の変性や関節の異常によって引き起こされます。

脊椎の変形やヘルニアがあると筋肉の緊張により、神経を押し込むことがあり、押し込んだ先に変形、ヘルニアがあると痛みやしびれなど神経症状がでます。

特徴は一日の中で比較的午前中は楽だとか疲れてくると神経症状がでるとなるとこれに当てはまりやすいと思います。

 

この場合、鍼の得意とする分野の症状となります。

筋肉の緊張や炎症

坐骨神経は、腰部や骨盤の周囲の筋肉と接触しています。筋肉の緊張や炎症がある場合、これらの組織が坐骨神経に圧力をかける可能性があります。これにより、坐骨神経の痛みや痺れが引き起こされます。当院がもっとも得意とする原因です。

筋肉でいうと大腰筋だったり、梨状筋だったりが原因として多いです。

 

よく手術をしても成功率は50%と言われますがそれは痛みやしびれが完全に消失する確率で、残りの50%は何らかの症状が残ったり再発したり、変わりがなかったりしています。

今まで問診や聞いた話では、残り50のうち30%は痛みやしびれは軽減するがまだ少し残っている。

10%は術後は良かったがまた時間とともに痛み出した。10%は変化なし(個人的な主観も入っています)

おそらくですが、手術方法、症状の重症度、年齢や体重など個人的要素、そもそも、筋肉が悪いのに骨が神経を圧迫していたと間違っているなど様々な要因で起こっていると思います。

股関節痛の発生機序

股関節痛は、股関節周辺の組織や構造に問題がある場合と腰からの神経に問題がある時に生じる痛みや支配神経下の感覚異常です。

股関節痛の一般的な発生機序について説明します。

変形性股関節症

変形性関節症は、関節軟骨の劣化や関節の変形によって引き起こされる最も一般的な股関節痛の原因です。

関節軟骨は、関節表面を覆う滑りやすい組織であり、摩擦を軽減し、関節の動きをスムーズにします。しかし、加齢や関節の負荷、関節の炎症などの要因により、関節軟骨は劣化(擦り減り)し、変形します。

 

これによって関節の摩擦が増加し、初期は立ち上がり時の痛みなどあり、進行すると、持続的な痛みや夜間痛を伴う事があります。

筋肉や腱の問題

股関節周辺の筋肉や腱の炎症、損傷、過度の緊張なども股関節痛を引き起こすことがあります。

例えば、中殿筋や小殿筋の緊張、萎縮では股関節の骨周辺が痛くなったり腰と股関節の間が痛くなったりします。

梨状筋では、仙骨と大腿骨頭の間が痛くなったりします。

当然にして、それらの付近を通っている神経は圧迫されるのでその走行上(ふとももの外側や、ふくらはぎ、足の指など)に神経症状がでたりすることもあります。

腰椎すべり症の症例

当院(北京堂)では痛みの軽減や改善に向けた治療を提供しています。実際の患者さんのケースをご紹介いたします。

 

80代 女性

1年ほど前から続いていた腰痛に対し、他科の先生が当院をご紹介くださり、来院していただきました。

10年前には腰椎の圧迫骨折を経験されていたとのことで、直近数ヶ月の腰の痛みには、リハビリや注射の治療にも効果が見られませんでした。

診察時には、高齢であることや回復力についてもお話しさせていただきました。経験上の知見によれば、高齢者の方でも50%程度の確率で症状の改善が見られることがあります。

痛む部位が骨盤の上ではないとのことで、大腰筋や起立筋が関与している可能性が考えられました。そのため、脊柱起立筋と大腰筋に鍼治療を行いました。およそ30本程度の鍼を使用しました。

 

2回目の診察では、痛みがかなり軽減されたとの報告を受けました。この変化から推察すると、大腰筋の痙攣が主な原因だったのかもしれません。

前回の内容で、施術の効果があったため、治療内容を変えずに同様の方法を継続しました。

 

3回目の診察では、痛みがなくなったとのことでした。この段階で痛みが戻らないようなら、様子を見ることをお勧めしました。もし痛みが少しでも再発した場合は、再度ご連絡くださいという事で。その後は治療を終了しました。

ご紹介いただいた先生には、お礼の言葉をお伝えくださいと私は伝えました。今もお元気ししておられるでしょうか。

このように、当院では、80代の女性の方の腰痛改善に効果があったという実績があります。もしも腰痛でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院にお声がえください。

日常生活を快適に過ごせるようお手伝いいたします。

病院にて画像診断上異常なし

50代 男性 

最近、仕事でたくさん歩かれたことが原因で、足がだるくなり、お尻の痛みや足のしびれが起きているとのこと。

特に左側に限定され、腰やお尻、太ももの外側、膝から下のふくらはぎや外側、すねの辺りに痛みや痺れを感じているそうです。

原因は明確に特定できなかったため、梨状筋症候群や殿筋の圧迫、腰部神経の圧迫が考えられます。

このような症状に対し、当院では施術を行っており、具体的には起立筋、大腰筋、腸肋筋、小殿筋、中殿筋、大殿筋、梨状筋、大腿後面の筋が付着する坐骨結節付近、腓腹筋、後脛骨筋を対象とした鍼治療を行いました。

 

鍼を刺す際には痛みを感じますが、ご本人が耐えられる範囲で施術を行い、片側のみ施術しました。鍼の本数はおおよそ50本程度で、毎回少しずつ調整しながら施術を進めています。

 

2回目の診察時には、腰の痛みがなくなり、お尻から足にかけての痛みと痺れも施術前に比べて2割減少しました。

しかし、まだ痛みが残っているため、前回と同様の施術を行い、痛む部位が明確になったり、症状に若干の変化が見られたため、調整をしながら施術を続けました。

 

3回目の問診時には、お尻から足の痛みがさらに低下し、以前は痛みを和らげるためにお尻をグーでトントンしていたそうですが、それも必要なくなりました。

 

現時点では3回目の施術となりますが、症状の改善傾向が見られるため、今後も調整しながら施術を継続していきます。

ベビーカーを持ち歩いて痛めた。

40代 男性

先日の休日にベビーカーを持ち歩いていた際、腰が少し痛くなり、朝起きたらぎっくり腰のような状態になったとのこと。

以前から年に数回腰が痛むことがあったそうですが、通常はマッサージなどで誤魔化していたそうです。

現在の症状としては、しゃがんだり、前屈みで腰が痛く、靴下を履く動作も痛いとのこと。徒手検査の結果、骨に異常は見られなかったため、慢性腰痛持ちがぎっくり腰になったとの予想が立てられました。

 

施術後はまだ痛みが残り、2〜3日は少し痛みを感じたそうですが、その後は徐々に改善されてきたとのことです。

 

2回目の問診では、施術後6日後には完全に症状が良くなったとの報告がありましたが、浴槽で身体を伸ばってゆっくりと浸かってから起き上がった際に再び腰が痛くなったそうです。

 

3回目の問診では、前回の施術後も数日間は痛みがあったが、その後また改善されたとのことです。今度は股関節の痛みがあったため、追加で施術を行いました。

 

 

現在は来院されていないため、おそらく症状が良くなっているのだろうと思われます。

病院も当院も同じく、知らせがないことは良い知らせとなります。

脊柱管狭窄症の疑いの例

60代 女性

症状としては、仰向けに寝ていると腰が痛くて目が覚め、右のお尻に痛みを感じ、太ももの真裏や足の外側が攣るような感じ、指先には熱感を感じるとのことです。

普段は腰のつらさを感じることはないのですが、長時間歩いたり、家事をしていると腰が詰まってくる感じがあります。しかし、前屈みになったり、休むと楽になるそうです。

過去には同様の症状が数年前から時折現れては消えていたそうですが、最近では1〜2カ月前から症状が再発してきました。

数年前の画像診断では、年齢による腰椎の潰れが少し見られ、ブロック注射を受けた経験があります。しかし、その効果は一時的なものでした。

 

今回の施術では、過去の画像診断の結果と問診に基づき、脊柱管狭窄症の疑いを考慮し、また他の固まっている部位がないかを探り、施術が行われました。

 

まだ初回の施術が終了したばかりですが、2回目の時点では施術前を10とした場合、5まで症状が軽減されている場合は予定よりも早い回復が見込まれ、7〜8だと元々の予定通りの回復を想定しています。

 

一般的には、坐骨神経痛の場合、12回の施術が基本となり、足首の辺りに痛みやしびれがある場合は15回程度かかることが多いですが、個人の状態によっても異なることがあります。

 

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