本当にあった足首捻挫の鍼治療後松葉杖を外した話

本当にあった足首捻挫の鍼治療後松葉杖を外した話

本当にあった足首捻挫の鍼治療後松葉杖なしで歩けた話

今回は、過去にあった捻挫の治療で松葉杖をついて歩いてきた方、親におんぶされて来院した方の話をしたいと思います。

最初に当院における捻挫の治癒理論や世界で研究された検証結果、簡単な捻挫の定義を載せるので実際に行った臨床経験は下まで飛ばしてください。

簡単な捻挫の定義

当院では捻挫の治療も行っていますが鍼が捻挫に効くなど知らない方がほとんどなので口コミで知っている方が受けることほとんどです。

 

捻挫には損傷度というものがありまして、日本整形外科学会やスポーツ学会で書き方が多少違いますが大体下記の通りとなります。

1度(もっとも多く軽症)

前距腓靭帯の部分損傷、軽度の腫れと圧痛がありますが、足首のふらつきはありません。

2度

前距腓靭帯完全損傷、広い範囲の腫れと圧痛がありますが、足首のふらつきはありません。

3度

前距腓靱帯、踵腓靭帯の完全損傷し、すべての症状が強く出ます。また、足首のふらつきが強い場合は手術の対象になることもあります。

多くの足関節(足首)捻挫は、足関節を内側に捻って生じます。
つまり、足関節外側の靭帯(前距腓靱帯)が引っ張られたり延ばされたりして損傷します。
外くるぶし(外果)の前や下に痛みがあり、足首が腫れます。程度が強いと膝下までむくんだり腫れてきたり、内出血で紫色になったりします。

捻挫をしてしまった場合、腫脹・熱感・痛みが発生します。
靭帯が損傷したことで関節周囲の血管が切れてしまい内出血を起こし、腫れてきます。腫れてくることで炎症が起きて発痛物質が作られ痛みを感じるとされています。

 

 

当院における捻挫の治癒理論

そこで、当院の鍼で対処可能な捻挫の程度はおそらく2度までと考えています。靭帯が完全断裂したものは鍼でどうにもなりません。

治癒理論として、捻挫をした際、足関節の軟部組織が損傷し、出血します。そしてその内出血が神経や血管を圧迫して痛みを引き起こすと考えます。

ですのから、損傷部位やその周辺に鍼を打ち内出血を吸収させれば痛みは消えるはずです。

海外での捻挫に対する鍼の研究結果

2011年のデータになります。

オーストラリア、メルボルンにある4つの病院で急性腰痛、片頭痛、足首の捻挫を患った患者様に施術したそうです。

比較方法は鍼治療のみ、薬と鍼の併用、薬のみとしています。

また、捻挫は発生してから72時間以内としています。そして、高所からの転落や交通事故など急性の大きな外傷、脱臼、骨折の疑いのある明らかな変形がある場合は除いています。

捻挫の基本はRICE(安静、アイシング、圧迫、挙上)なのでこの管理を受けている。

この研究の結果、鍼治療が単独で、または薬物療法の補助として、 急性腰痛、片頭痛または足首の捻挫を伴う患者に効果的で安全かつ許容できる痛みの緩和を提供できるとしています。

また、これらの結果は

臨床疼痛管理ガイドラインの改訂、救急医のトレーニング、および国内および国際な救急医療施設での設置を検討できる可能性があります。

結果はまた、実行可能な鎮痛薬の選択肢として患者様に提供できる可能性があります。鍼治療がこれらの症状に有効であることが実証された場合、薬物療法ではなく鍼治療を求めるこれらの状態の患者が多数存在する可能性があります。

この研究は、鍼治療が有効であると考えられる他の急性症状の将来の研究にも大きな影響を与える可能性があります。

高校生が急性捻挫で松葉杖をついていたが翌日外して遊びに行った話

大分昔の話になりますが、ある日、患者様のお母さんから捻挫の相談がありました。

明日の卒業式か入学式かは忘れてしまいましたが、お子さんは舞台に立つ予定で何か演じる予定があったそうです。

私は病院で靭帯や骨に異常がないのであれば、捻挫の痛みが再現されるが、それに耐えられるなら何とかなるかもしれないとお伝えしました。

施術自体は痛いことがわかっていたので覚悟を決めてきてもらわなければなりません。

当日、お子さんは松葉杖をついて来院され、辛そうな表情でベッドに横になりました。痛みのある足を上にして横向きになってもらい、足まくらを使って足首の関節を広げ、痛みのある箇所を確認しました。特に外くるぶし(外側靭帯)の辺りには密集した鍼を刺しました。狭い範囲に約30本の鍼を使用しました。

また、すねの裏側も少し鍼を刺しておきました。

すると、捻挫時の痛みが再現されたものの、徐々にその痛みも減っていく感覚が現れました。鍼を刺した初めの頃は少しズキンと痛みましたが、徐々に和らいでいきました。

約40分ほどの施術でした。

鍼を取り除いていく際にもわずかな痛みがありましたが、鍼が全て取り終わった後は痛みをあまり感じなくなりました。ただし、以前松葉杖を使っていた経験から、まだ恐怖心が残っているようでした。

一応松葉杖を使いながら帰宅しましたが、その夜は自宅で松葉杖を使わなくても歩けたそうです。

翌日のお昼ごろ、お子さんのお母さんから電話がありました。当日は松葉杖を使わずに壇上に立ち、予定通りの出番を果たせたそうです。さらにそのまま友達と遊びに行ってしまったとのことでした。

こうして、お子さんは無事に松葉杖を使わず、歩けるようになりました。その後の経過も特に問題ありませんでした。

両足捻挫で親におんぶされてきた高校生のお話

これもコロナ前だったと思います。

以前から鍼を受けていてその効果を知っている人から子供を紹介がありました。

話を聞くと両足捻挫だそうです。今まで片足の捻挫ばかりだったので両足となるとどうしたものかと考慮していました。

当日、両足捻挫なので自力で歩けず、車で院の前まできてその後は親におんぶされてベッドまできました。

とりあえず特に痛いほうをやってみようとしました。

しかし、受ける本人は鍼は怖いし、痛いのはやだとなかなか大騒ぎしていましたが、親と話しをしながらギリギリの範囲で加減もしつつなんとかこなしました。

加減をするということは鍼の本数も減るわけで、しっかり効果が出るかは不明でした。

その数日後に反対の足をやるというので前回やった足の話を聞くと痛みは軽減したので家では片方松葉杖を外してはいるがまだ痛いとの事。

今回はもう2回目なので大体鍼を受ける要領もわかったみたいです。口数は多くなりがちでしたが、今度はしっかり加減することなく治療ができました。

その結果、一応松葉杖をなしで歩けるようにはなったものの、最初に受けた足はまだ若干痛むそうで、3回目はその足を治療しました。

その後は、すっかり良くなって来なくなりました。

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