ストレート ネックとは?
ストレートネックとは、横から見ると、通常は喉のほうに前カーブを持っている人間の首の形状が、直線的もしくは背中側に反っている状態を指します。正常な首の形状は、後ろに湾曲していることで、重たい頭(4~6キロ)の重みを支え、体重や圧力を吸収することができます。しかしストレートネックの場合、首のカーブが失われるため、首へのストレスや圧力が増大し筋肉はより硬くなり収縮するのでどんどん悪化していきます。
長期的なストレートネックの場合、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の原因にもなります。
ストレートネックを放置しておくと以下のような症状が出る事があります。
どのような症状がありますか?
首痛、首こり、背中の張り、腰痛
筋肉の使い過ぎによる凝りで起こります。また、筋肉は骨についてるので付いているところをぐいぐい引っ張って骨が変形していきます。そして、それをかばう為に、他の筋肉が対応しそこに負担がかかる事で背中や腰に張りや痛みが出る場合があります。腰や背中から始まって首にくる場合もあるのでレントゲンやMRIで局所だけでなく、全身を診る事が肝心です。
肩、腕、前腕、手のしびれや感覚異常
首から指先まで神経は繋がっています。その神経を筋肉が圧迫したり、骨の変形により、狭窄して神経に触れたり圧迫されやすくなります。なお、脊損するとその支配神経より下が全てダメになるので用心が必要です。
寝違い、首の可動域の減少
寝違えは首の筋肉の硬さから起こる事が多いです。年に何回も寝違えをする場合ストレートネックを疑ったり首の筋肉がカチカチになっている事が多いので注意しましょう。
また、筋肉の硬さと首の骨の変形により、首を後ろに倒せなかったり横にしなりが出せないなど色々と可動域に制限が生じます。
難聴、耳鳴り、頭痛
神経を圧迫した際や、筋肉の硬さが原因で耳鳴り、難聴、頭痛をきたす場合があります。頭痛の場合は後頭神経を施術してあげると改善する事が多いですが、深層にある筋肉なので、マッサージした後はいいが当日や数日しかもたない場合は深部まで筋肉が緩んでないからかも知れません。
視力低下、疲れ目、ドライアイ
自律神経のバランスが崩れる、デスクワークやスマホの使いすぎなどによる後頭下筋群の圧迫など様々な原因で目の症状が起こる。
めまい、ふらつき、吐き気
神経の圧迫により、めまい、ふらつきが出たり、頭痛が強くなり吐き気がでたりします。
自律神経失調、のぼせ、うつ的症状、不眠、不安感、食いしばり、顎関節痛
自律神経のバランスが悪くなるとのぼせ、うつ的症状、不眠、不安感
ストレスを軽減出来ないので食いしばりを起こし、顎関節症になったりします。
ストレートネックの原因
姿勢の悪さ
長時間の前かがみの姿勢や、携帯電話やパソコンなどのデバイスを使うことによる首の前屈が続くことで、首のカーブが失われることがあります。このような姿勢は、首や肩の筋肉に負担をかけることになり、長時間続くと筋肉が疲労して硬くなります。その結果、骨は縮こまった筋肉に引っ張られ、頸椎背中側に歪ませる事により、カーブが失われ、ストレートネックを発症します。
頸椎の炎症や損傷
スポーツや交通事故、年齢などにより頸椎にダメージが加わることで、首のカーブが失われることがあります。例えば、交通事故で首をひねったり、頭部にダメージを受けたりすると、頸椎に損傷が生じることがあります。また、頸椎の炎症を起こす疾患(頸椎症など)がある場合にも、首のカーブが失われることがあります。
筋肉の筋力低下や緊張
首の周りの筋肉や、腰、背中の筋肉が弱くなったり、硬くなったりすることで、首のカーブが失われることがあります。大腰筋が萎縮、痙攣などしていれば、腰は臍側に歪んだり背中側に反ったりします。それをかばう為、今度は背中が張ったり、硬くなる。また、筋力低下でも姿勢を保持する事が出来なくなり、猫背、亀背、円背などになります。それらが原因でさらに、首のカーブまで歪んでくる悪循環になります。
加齢による変化
加齢により、首の骨や軟骨、靭帯などが変化し、首のカーブが失われることがあります。年齢を重ねると、首の骨や軟骨がすり減ったりして変形性頚椎症を発症したりすることで、首のカーブが失われ、ストレートネックになることがあります。
治し方(治療法)
ストレートネックの原因は何となく理解しました。
今度は治し方(治療法)ですが、一般に整形外科のリハビリ室で首の牽引や注射ではなかなか治りません。
基本的には、筋肉の過緊張を取り除き、その後は運動やストレッチをして数ヶ月してやっと成果が出る事となっています。
ストレートネックから来る痛みやしびれ、硬さ、その他症状は鍼によって数回で改善してくると思いますが、ストレートネック自体はなかなか良くなってきません。
症状がなくなると人間は面倒くさがりなので、治療間隔をあけたり、そこで終了となったりしますが、根本からは治ってないので時間が経ち、日常生活の改善が行われない場合数ヶ月すると徐々に再発してきます。
ですので、面倒ではありますが、各種症状が取れても首のカーブが出てくるまではしばらく施術する必要があります。
毎週1回鍼を打ち、ストレッチや体操をすることでようやく治ってきます。
首を後ろに倒すと痛みが出る場合は、そのまま続行するとヘルニアになる危険性がある為、痛みがなくなってからにしましょう。
もちろん、そり腰や、猫背など他に施術が必要な場所があればそちらも同時進行で構わないので治療していくことが肝心です。
実際に鍼を刺す所は首の筋肉、具体的には第一頸椎から背中までを刺すとして、後頭下筋群(大、小頭直筋、上、下斜筋)や、肩甲挙筋、前、中、後斜角筋、頭板状筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋など色々くっついているのでそれらを刺す為、首を5ラインに分けて左右対称に刺していきます。
そして、背中の夾脊穴(背骨の横あたり)を打っていきます。猫背がひどい場合は二列で刺鍼することもあり、その場合、鍼を刺す量は増えます。
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