ここでは梨状筋の癒着(梨状筋症候群)について簡単に説明していこうと思います。
実際の施術した経過を見たい方は下にスクロールしてください。
梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)は、梨状筋と呼ばれる骨盤の筋肉が圧迫されることによって起こる痛みや症状の集合体です。この症候群は、梨状筋が坐骨神経に圧迫をかけ、坐骨神経が足や臀部に放射状に痛みやしびれを引き起こす状態を指します。梨状筋は骨盤の中にあり、坐骨神経は腰椎から足にかけて走行する神経です。
梨状筋症候群の診断について
1、画像診断や超音波検査など
2、徒手検査法
これらを合わせて総合的に判断していきます。
梨状筋症候群の主な症状には以下のようなものがあります
- 腰や臀部から大腿の後ろにかけての痛み:坐骨神経が圧迫されるため、しばしば腰から臀部、太ももの後ろ、膝周辺にかけて痛みが生じることがあります。
- 足のしびれや痺れ:坐骨神経の圧迫によって、足の一部や全体にしびれや痺れを感じることがあります。
- 坐骨神経痛:坐骨神経の圧迫によって生じる痛みは坐骨神経痛と呼ばれ、しばしば臀部や脚に沿って放射状に広がります。
- 歩行障害:痛みやしびれのために歩行が困難になることがあります。
梨状筋症候群の原因は複数考えられており、以下の要因が関与する可能性があります:
梨状筋の炎症や緊張: 梨状筋が炎症を起こすか、過度に緊張して坐骨神経を圧迫することがあります。
外傷: 転倒や急な動作などが原因で、梨状筋周辺に損傷が生じ、症状が引き起こされることがあります。
筋肉の神経との癒着: 長時間同じ姿勢でいると筋組織がくっついてしまい癒着という状態になります。こうなるとくっついた神経や筋組織をはがしていく作業が必要になります。
診断は、症状の詳細な評価や身体検査、画像検査(MRIやX線など)を通じて行われます。治療法には以下のようなものがあります:
休息と安静: 痛みの軽減のために、一時的に活動を制限することが推奨されることがあります。
物理療法: 梨状筋を緩和させるストレッチやマッサージなどの物理療法が行われることがあります。
抗炎症薬や痛み止めの処方: 炎症や痛みを軽減するために、医師によって薬物治療が行われることがあります。
筋肉の強化: 周囲の筋肉を強化するエクササイズやストレッチを行い、症状の改善を図ることがあります。
ブログのほうで記載していますが、病院での診断を基に施術してみたが、効果が少なく、梨状筋以外にも原因があった珍しい例なのでこちらに詳細を記載しておきます。
去年末頃からお尻や股関節のあたりに違和感を感じ、段々と痛くなっていったそうです。
痛み止めを飲んだりしていたがやはり痛く、長時間座っていられないようになってきました。
当院に来院するひと月前に病院を受診し、エコーにて梨状筋の癒着があることが判明し、癒着を剥がすための生理食塩水の注射を5回ほど受けたそうです。ほかに、1週間前にはレントゲンも確認しているとの事。その結果、痛みは少し軽減されましたが、日常生活には依然として支障があります。歩行も痛みがあり、座っていても痛むため、横になっていることが多いとのことです。さらに数日前から痛みは増してきているようでした。
当初痛みがある場所は仙骨付近や股関節、坐骨のあたりでした。
当院でも問診時に梨状筋の癒着と聞いた時には、その癒着を剥がせばすぐに良くなるだろうと思い、梨状筋周辺を中心にもしかしたら腰からきている神経痛かもしれないので腰は仙骨付近の痛みを考慮して、脊柱起立筋、大腰筋、腰方形筋を施術し、股関節は殿筋を中心に施術を行いました。
2回目の問診時には、仙骨の痛みはなくなりましたが、他の痛みはあまり改善されていないようでした。施術に何か問題があるのかと考え、鍼を変えたり施術の場所を変えたりして再度施術を行いました。
3回目の問診時には、症状にほとんど変化が見られませんでした。そこで、梨状筋の癒着が今の痛みの原因ではないかもしれないと考え、横向き(側臥位)になって股関節の下や腸骨筋にも施術を行いました。のちにこの腸骨筋がおそらく原因のひとつであると考察できる。
4回目から大きな変化が現れ、歩行時の痛みが軽減し、座っていても不安感はありますが痛みはないとの報告がありました。症状の変化を受けて同様の施術を継続し、痛みが徐々に下に降りて大腿後面や側面にも少し感じられるようになったため、それらの部位も追加で施術しました。
おしり(股関節の痛み)がまさか骨盤を隔てた腸骨筋が原因であると本人がわからない事は仕方ありません。何故なら後ろ側のおしりが痛いのだからだれでもお尻の筋肉が悪いと思うのは当然のことです。私も初回から腸骨筋はあまり選びません。刺激量が多いのと太もも全面に症状がない場合は後ろからの施術で様子を見ます。
5回目には、歩行時の痛みが消失し、寝ている間に痛みで目が覚めることもなくなりました。残るのはわずかに痛む大腿部と不安感が取れれば完治と言える状態です。
6回目には大腿部外側の痛みが取れてきて、少し後部に移りました。そのほかの痛みは回数を重ねる度良くなって痛みの範囲も小さくなってきました。
7回目、もう大腿部の痛みがないのでそこは施術をしません。段々と刺す本数も減っていき、予定より少し早く治ってきています。あと残すは外旋筋のあたりの長時間歩くと少し違和感が出たりする事ぐらいになりました。
8回目、問診時にはもうあんまり気にならなくなり長時間の歩行や座っていても問題ないとの事で、丁度二か月だし、そろそろ間隔をあけてみてもいいかも知れないと話をしながら施術をしました。
9回目の予約はあったのですが、調子がいいのでキャンセルとの事でした。施術している身これから2週間、3週間と間隔を開けていき、状態をみながら施術終了を告げたかったところではありますがキャンセルからもう数週間たつが特に連絡もないので余計な心配でした。
今回は若い方だったのもあり予定より3回ほど早く治りました。そして、梨状筋の癒着だけでなく、腸骨筋や外旋筋、坐骨結節付近も異常もあった例でした。
最後に梨状筋症候群について簡単な説明をしておくので興味がある方は読んでみてください。
始めに梨状筋の癒着(梨状筋症候群とは)
ここでは梨状筋の癒着(梨状筋症候群)について簡単に説明していこうと思います。
梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)は、梨状筋と呼ばれる骨盤の筋肉が圧迫されることによって起こる痛みや症状の集合体です。この症候群は、梨状筋が坐骨神経に圧迫をかけ、坐骨神経が足や臀部に放射状に痛みやしびれを引き起こす状態を指します。梨状筋は骨盤の中にあり、坐骨神経は腰椎から足にかけて走行する神経です。
梨状筋症候群の診断について
1、画像診断や超音波検査など
2、徒手検査法
これらを合わせて総合的に判断していきます。
梨状筋症候群の主な症状
1、腰や臀部から大腿の後ろにかけての痛み:坐骨神経が圧迫されるため、しばしば腰から臀部、太ももの後ろ、膝周辺にかけて痛みが生じることがあります。
2、足のしびれや痺れ:坐骨神経の圧迫によって、足の一部や全体にしびれや痺れを感じることがあります。
3,坐骨神経痛:坐骨神経の圧迫によって生じる痛みは坐骨神経痛と呼ばれ、しばしば臀部や脚に沿って放射状に広がります。
4,歩行障害:痛みやしびれのために歩行が困難になることがあります。
梨状筋症候群の原因は複数考えられており、どれかひとつだけでなくどれも該当することがあります
1,梨状筋の炎症や緊張: 梨状筋が炎症を起こすか、過度に緊張して坐骨神経を圧迫することがあります。
2,外傷: 転倒や急な動作などが原因で、梨状筋周辺に損傷が生じ、症状が引き起こされることがあります。
3,筋肉の神経との癒着: 長時間同じ姿勢でいると筋組織がくっついてしまい癒着という状態になります。こうなるとくっついた神経や筋組織をはがしていく作業が必要になります。
治療法
休息と安静: 痛みの軽減のために、一時的に活動を制限することが推奨されることがあります。
物理療法: 梨状筋を緩和させるストレッチやマッサージなどの物理療法が行われることがあります。
抗炎症薬や痛み止めの処方: 炎症や痛みを軽減するために、医師によって薬物治療が行われることがあります。
筋肉の強化: 周囲の筋肉を強化するエクササイズやストレッチを行い、症状の改善を図ることがあります。
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